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入試で出た時事問題「国家機密」【社会】

Ⅲ 5.

下線部④(一方的に審議を打ち切り、強行採決に持ち込もうとしたため)について、日本でも2013年の臨時国会会期末に「審議が不十分である」との批判が高まる中で、強行採決によって可決された法案がありました。

(1)これは国家機密に当たる情報が外部に漏れないようにするためのものと言われていますが、この法律名を答えなさい。

 

(2)国家機密に近付こうとする人を厳しく罰することになれば、「新しい人権」を侵害する可能性があります。その人権とは、具体的にどのような権利か答えなさい。

 

(1)「特定秘密保護法」

この法案は、日本の安全保障のために、「これは隠したほうがいい」という情報は、一部の政府の人しか知ることができない「特定秘密」にしようとするものです。

 

「特定秘密」になる可能性があるのは、

・テロに関する情報

・スパイ活動に関する情報

・外交に関する情報

・防衛に関する情報

です。

 

賛成意見

・大事な情報(国家機密)が外国に漏れない

2010年に尖閣諸島付近で海上保安庁船と中国船と衝突事故が起きました。

そのとき保安庁職員がそれを撮影した動画を政府の許可なしにインターネットに投稿してしましました。

これは日本政府の情報機密の甘さが世界に知られてしまった事件です。

 

この法律によって、大事な情報を漏えいした人には、以前よりも重い罰が与えられることになります。

 

反対意見

・知る権利が侵害される

私たち国民は知る権利を持っています。

情報が規制されることで、マスコミやジャーナリストの報道も制限されてしまいます。

私たちは、自分で判断するために必要な知識さえも規制されてしまうかもしれません。

また、政治家の不正を生み出す可能性もあります。

 

(2)「環境権」「プライバシー権」「知る権利」「自己決定権」など

戦後の急激な経済発展によって、人々暮らし方や社会構造は大きく変化しました。

それによって多くの問題も生じてきました。

憲法に明確な文章としては書かれていませんが、憲法で保障されるべき人権として主張されるようになったのが、「新しい人権」です。

これらは、憲法13・21・25条によって保障されるものとされています。

 

環境権

簡単に言うと、「快適な生活環境を求める権利」です。

代表例は以下の4つです。

① 日照権 ( 日当たりを確保する権利 )
② 嫌煙権 ( たばこを吸わない人がたばこの煙から身を守る権利 )
③ 眺望権 ( 美しいながめを侵害されない権利 )
④ 景観権 ( 美しい景観を守る権利 )
プライバシー権

簡単に言うと、「個人の私生活を他人に公開されない権利」です。

著名人や犯罪の被害者などの私生活をマスメディアから守るためでもあります。

 

この権利を守るために、個人情報保護法が作られました。

 

マイナンバー法も、運用の仕方を誤れば、個人情報が大量に漏れてしまう可能性があります。

個人情報をいかに保護するかは、情報化社会の新たな課題です。

 

知る権利

簡単に言うと、「国や地方公共団体、企業が持っている情報の開示を要求できる権利」です。

1999年に情報公開法が成立し、これによって、知る権利は具体的権利として確立しました。

 

自己決定権

簡単に言うと、「自分の生き方を自分で決める権利」です。

これを実現するために、病気になったとき、医師からどんな治療法を選択するのか説明を受け、理解したうえで合意すること(インフォームド・コンセント)や、

脳死と判断された場合の臓器提供には、事前の自己意思(臓器提供意思表示カードなどに基づく)が尊重されることが求められています。

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